読書記録

タイトル:アメリカ黒人の歴史

著者:上杉 忍

出版社:中公新書

年度:2013年

 

【要約】

奴隷貿易から今日までのアメリカ社会における黒人の歴史。政治政策と選挙動向観点から見た人種差別システムの過程を示し、人種とは、もとももあった概念ではなく、歴史の中で創造された社会的・政治的システムである。今、その歴史の中で、黒人は人種差別システムの中でにいるのではなく、貧困という新たな危機に直面している。

 

【メモ】

・オラウダ・エクィアーノ 奴隷船貿易から脱出し読み書き能力を身に着け、奴隷船の恐ろしさを伝えた人。

・クリスパス・アタクス 独立革命のために最初に国に命を捧げた初の黒人

ミズーリの妥協

プランテーション農業 

指導動向に柔軟に対応することが出来ないという弱点と、一個の製品に特化している絶対的な強み。南部では、自由貿易を促進。課税がない状態の方が綿花を大量に輸出できるうえ、広大な土地と安価な労働力を持っていた南部では自由貿易で利益を多く出せる。強いものが市場を征服できる。 南北戦争時、南部は民主党

リンカーン 共和党

奴隷解放宣言

黒人は”自由”と引き換えに、多くの生活や財産を失う。自由になり、そのまま野に放り出される。奴隷制時は、奴隷主がいたため一定の生活が、劣悪ではあったが、保証されていた。一方、家族が法的に認められるというプラスの面もあった。

KKK 南部の白人武装組織

 

 

【感想】

アメリカの黒人の歴史は奥が深い。高校、中学の頃は、アメリカの歴史に奴隷船貿易や南北戦争公民権運動などは習った。でも、それ以外の黒人の歴史は知らなかったので、一度は皆読むべき歴史だと思った。

アメリカ政治において、政治全般において、大切なことは世論を味方につける、いかに選挙で多くの支持を集めるかが、政治家にとっては重要なのかもしれない。自分が、トップに立つことで主導権が握れるし、コントロールすることも可能になる。

でも、この黒人の歴史を読んで思ったことは、政治って誰のためのものなんだろうって改めて感じた。何を優先にするのか、弱者なのか、マジョリティーなのか、経済なのか…。人それぞれ考え方は違う。でも本当に人種差別を乗り超えたいと思うならば、政治が変わらないといけいないと思う。

文化やコミュニテーで変化を起こすことは、可能だし、今も黒人文化の影響力は凄い。みんな、ジャズやダンスが大好きだし、映画やスポーツ界で活躍しているひとも多い。でもその反面、アメリカには本当に苦しんで、自分では抜け出す道を見つけられない人が多い。見つけられないのではなく、見つけさせない社会がずっとはびこっている。

 

私には、多くの黒人の友人がいる。初めて彼らと出会ったときは確かに、少し怖いなと思った。話方も全然違うし、何よりみんな私より身長でかいし(笑)

でも、それでも友達と接する中で、黒人と一緒の空間で生活する中で、人種って関係ないって思った。大切なのは、国籍や人種なんかじゃなくて、その人個人のパーソナリティなんだってよく思うようになった。同じ日本人でも、好きな人、嫌いな人、苦手な人って絶対いるんだから、それは本当に人種とか国籍関係ないんだって思う。

BLM運動で、人種差別を考える人が増えたと思う。デモ参加したり、SNSで発言したり…。私は、特にこれといった行動は何もしていないけど、彼らと自分との向き合い方について色々考えた。

ただ単に、人種差別は良くないって否定するのではなく、自分なら”どう彼らと接するか”っていうことを考えていきべき何だろうな....。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

読書記録

読んだ本の記録

 

タイトル: アメリカ情報・文化支配の終焉

著者:石澤靖治

出版:PHP新書

年度:2019年

 

【要約】

情報テクノロジーの発展により、情報アクセス方法が多様化したことで、国家は、世論を味方につける戦略が鍵であり、それが、シャープ・パワーやPD戦略である。

アメリカは、説得的コミュニケーション手法で、「自由」「民主主義」「人権」を国家のアイデンティティーとして確立した。

しかし、トランプの自国第一主義政策により、アメリカ的価値が失われ、世論の信頼が失われ始めている。アメリカの文化情報的戦略が、覇権国家としての地位を揺るがしている。

 

【メモ】

・ロシア

メディア戦略としての「RT」、アメリカやEU派とは全く異なるサイドから世界の出来事について報道。リベラルが主張することと反対の意見を持っている人の声を救い上げ報道することによって、アメリカやEUの言うことの正義に疑問を持たせることが出来る。プーチンによるインテリジェンス国家としての戦略。

・NED

NED という組織は、「全米民主主義募金」と言われ、アメリカのNGO。政府機関ではないので、アメリカ党派を超えて自由に活動できる存在。また、アメリカ的価値を掲げていて、民主主義を世界に促進させることが目的。

・Public Diplomacy

国の情報や文化について、他国に売り込み国際社会を主導するための政策のひとつ。文化外交、対外広報外交、世論外交など…

関連する概念として、「ソフト・パワー」

Public Relations 

広報は、自らのことを知ってもらうために情報を発信すること

プロパガンダ

政治的意図のもとに、ある主義や思想を誘導するためのもの

PD,PR,プロパガンダは似ているが意味や目的が違う。しかし、その区別は難しい。

アメリ

「理想主義」と「現実主義」をうまく使いこなしている。「自由」「民主主義」「人権」を掲げ理想的な側面と、実際は、アメリカの国益を第一と考える現実主義的側面がり、PDはこの現実主義的側面をカバーするために使われている。

・「シャープ・パワー」

思想を単一的なものにし、それ以外の不都合な情報や言論を徹底的に締め上げる。自国の好意的な部分だけで固めようとするもの。言論統制的な感じ?

・中国

「シャープパワー」の典型的な例。孔子学院を政府によって各国に展開することで、中国文化、語学を広めるという部分と、中国に対するマイナスイメージを留学生、孔子学院教師を通して監視、統制している。

・トランプ

アメリカ的価値を崩壊させ、「ソフト・パワー」を衰退させた。アメリカ第一主義を唱えたことで、「世界的リーダー」として君臨し続けることを不可能にさせた。「公平の原則」の撤廃によって、言論の多様化とインターネット、SNSの普及によって世論の多様化が起こっている。メディアの多様化、情報ツールの多様化は、情報を自由に選択できる。限定的な選択や情報の信憑性が薄れるので、自らが発する言葉が真実であるとリベラルメディアと対立を深めるトランプ。

 

【感想】

非常に興味深い内容だった。ロシアの情報戦略には、驚かせれるばかりだったがプーチンがとても賢い人だな~と思った。アメリカやEUなど、大多数の世論が正しいと考えていること、彼らの掲げる「正義」は、必ずしも正しいとは限らない。そういうことを考えさせられた。

私自身、アメリカやヨーロッパ、マジョリティーがいう事がいつも正しいとは、思わなし、何ならたまに”否定されている意見”に納得してしまうこともある。私ももう、オルタナティブメディアの影響を受けているのかな....なんて思ったり。

 

世論をどう味方につけるかで、ほとんどの行為に善悪の判断が決まる。同時に、国際社会で大きな影響力また覇権を持つことが出来る。

漫画やアニメの中でもいつも勝者には多くの見方がいるし、見方が多い方が「勝利」みたいな感じだよね。きっと(笑)でも、大多数にとっては悪でも、少数にとっては善だったりするから、見方を変えると、あれ、正義って何?ってなる。

 

国際社会での影響力、国益を考えたら、情報発信やPD、PRは、必要不可欠であるし、世論の見方が多い方が、何かと有利。「情報」は、一番の武器であり、一方、毒なのかもしれない。

インターネットやSNSで簡単に色々な情報に、普段からアクセスできるし、私も言論の自由の権利もと、好きなことや思ったことを発言できる。情報が膨大で多様な今、自分の好きな情報だけ、限定して得ることも可能。便利なのか不便なのか.....

 

著者の言うように、日本は、アメリカ、ロシア、中国、それ以外の国に比べて、情報や文化などを利用した戦略が全然ないなって思う。国家のアイデンティティーが確立していないっていう指摘もあったけど、その通りだと思った。でも、日本って変な国だけど、すごくいいところいっぱいあるなって思う。何となく、日本にないものってたぶん…国家としての「自信」なんだと思う。

 

文化や国、宗教、考え方に、優劣はないと思う。

だから、自分の属しているコミュニテーや国、信じているものに誇りをもっていいと思う。たとえ、他人と違っていたとしても。

もちろん時には、批判することで、何か別の発見が出来ると思う。でも、みんな違うんだから、お互いを尊重することをもっと大切にすればいいと思う。否定や批判よりも、尊重すること、認め合うこと、褒めることを大切にすればいいのにな~って思った。

 

最近ネガティブだったから、まるで自分に言い聞かせるみたい(笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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